2013年06月09日

永遠の0(ゼロ)

少し前ですが、百田尚樹さんの「永遠の0」という小説を読みました。ベストセラーにあまり興味はないのですが、ブックオフにたまたまあったので購入してほったらかしにしていました。

電車の中で一冊読み終えたので、鞄にあったこの本を読み始めると瞬く間に入り込みました・・。

ご存じの方も多いと思いますが、太平洋戦争の特攻隊の乗組員のお話です。祖父が特攻隊で亡くなった孫が祖父の人物像に迫っていくお話です。祖父を知っている方の語りがこの小説の構成の中心なので、主人公は亡くなった祖父なのかもしれません。

私は大学時代に戦国時代、中国戦国時代に興味を持ち、20代半ばに太平記の世界、30代初めに幕末と興味を持ちました。今でも繰り返しこれらの時代に触れています。しかし、太平洋戦争の時代には一切触れてきませんでした。全く興味を持てませんでした。

なぜ興味が持てなかったのか・・・。私にとって生々しいのです・・。

戦国時代、幕末などそれぞれの時代にも人の死というものがあったでしょう。しかし時代が古い分、私にとってどこかファンタジーと言っては言い過ぎですが、非現実でした。戦にでもなれば何千という人の命が一日で失われたのだと思います。それでも自分の中で現実味がなかったのです。

私は歴史を学ぶとき、特にその人物に入り込みます。一種の心理学です。この人物はなぜこのような行動をしたのか、このとき何を考えていたのかなど自分と重ね合わせています。しかし、なぜ戦時中の歴史に触れなかったのか・・。

戦時中の情報はたくさん残っています。映像もたくさんあります。ここに私にとっての生々しさがあるのです。このリアルな情報を咀嚼して自分と重ね合わせることが怖かったのです。心の底で拒んでいたのです。

この小説を読むことによって、太平洋戦争という時代と自分の間にほんの僅かですが距離を置くことができました。これにより他の時代と接するのと同じように、この時代に対して「俯瞰」というのものが自分に持てたと思います。

この小説はエンターテイメント性を持った非常に面白い一冊でした。同時に私の新しい視点を手に入れるきっかけとなった一冊です。この一冊に出会えたことに感謝感謝です。

戦時中の書物に触れていこうと思います。何から読もうかな・・。



posted by コミ-ネ at 15:34| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記